こんにちは。剛毛男爵です。
この記事では脱毛クリニックの一部にあるコースプラン「年間パスポート」の危険性についてお話しします。
一見お得に見える「年間パスポート」。実は脱毛の常識に基づいて考えると期待出来る効果を得られず、お金も損してしまいます。
この記事では
・年間パスポートとはどのようなものか
・なぜ効果が期待出来ないのか
・実際にどのぐらいお金がかかるか
の順で説明しますので最後までお読みください。
結論から言うとね、「毛の生え変わり時期」を全く考えていないのがこのプラン。詐欺表記に近いんだよね。
年間パスポートを申し込んだ人がどう損するかについて、具体的に説明するよ。
※年間パスポートプランはヒゲ・全身・VIOとありますが、ここではヒゲ脱毛を例に説明していきます。
年間パスポートとは
年間パスポートとは、1年間でクリニックが定めた上限分は好きなだけ施術を受ける事が出来るプランです。
具体的なプランの例をあげて説明します。
・1年間で最大12回ヒゲ脱毛が可能
・1年間で最大6回全身脱毛が可能
このプランの価格は一見「ヒゲ脱毛12回分」「全身脱毛6回分」の価格であるかのように見えるのでかなりお得に見えます。
年間パスポートの価格はかなり安めに設定されている事が多いので
12回分(6回分)施術出来て〇〇万円!?安い!!
と心をくすぐられて思わず契約してしまう人は多いでしょう。
しかし、期間中にクリニックが規定している最大回数分の施術をしても、全施術で効果を出す事は限りなく難しいのです。
この理由は脱毛は毛の適切なサイクルでレーザーを当てないと効果が出ない事と関係します。
適切な時期で通わないと効果は出ない
効果を出せるタイミングは決まってる
年間パスポートでは、クリニックが定めている最大数(12回・6回)通っても全ての施術で効果を出す事は出来ません。
その理由を詳しく説明する前に脱毛における原則「レーザーの効果が出せるタイミング」について説明します。
毛は常に生え続けているのではなく
「一定期間成長する」→「成長が停止する」→「抜け落ちる」→「新たに毛が生え変わる」
のサイクル(毛周期)を繰り返しているのですが、決まった時期にレーザーを照射しないと効果は得られないのです。
成長期:毛が成長を続けている時期←効果が出る唯一の時期
退行期:成長を終えた毛が抜け落ちるまでの時期
休止期:次の成長を終えるまで活動を停止している時期
レーザーを照射した肌の上には様々なサイクルの毛が存在しており、体毛において成長期の毛は30%を超えません。【脱毛超初心者講座】脱毛中によくある疑問・質問を解説します!より引用
年間パスポート最大の罠
毛周期のサイクル上、成長期に該当する毛にしか効果が出せないのが大原則。そして施術を重ねる度に毛は減っていきます。
すると毛の生え変わり自体が遅くなってしまうのです。
毛が少なくなる=表皮上に現れる毛が少なくなるって事。
皮膚上にある程度の毛が集まってからじゃないと施術しても抜ける毛は少ないでしょ。だから一定数の毛が表皮に現れるのを待たないと勿体ない。
年間パスポートは1年間で通える最大回数が決まっていますが、通った時に毛が生え変わっていなければレーザーを当てても効果を出す事は出来ません。
つまり年間パスポートで定められる上限分通うと、施術の後半はレーザーのムダ打ちに終わってしまう可能性が高いのです。
参考までに僕が通っているヒゲ脱毛クリニックが定めている次回施術までの間隔を以下にて紹介します。
2回目 4週間後
3回目 4週間後(8週間)
4回目 6週間後(14週間)
5回目 6週間後(20週間)
6回目 8週間後(28週間)
7回目 8週間後(36週間)
8回目 10週間後(46週間)
9回目 10週間後(56週間)
ヒゲ脱毛の年間パスポートでは月1回ペースで通う事を前提として、通える上限数を12回にしているケースが多いですが、月1回で通っても効果が出やすいのは前半のみなのです。
1ヶ月ごとに通っても、顔にヒゲが生えて(集まって)なかったら抜けるヒゲは少ない。
年間パスポートで効果を出せるのは何回まで?
年間パスポートで元を取ろうとして定められた限界まで通っても、毛が生え変わっていない場合はレーザーのムダ打ちになる事はお分かり頂けたかと思います。
それでは実際に適切なタイミングで通うとなると、何回分になるのでしょうか?
先ほども紹介した僕の通うクリニックの照射間隔を基準として「1年間で可能な効果のある脱毛の回数」を見ていきましょう。
僕の通うクリニックはヒゲの減りに合わせて、照射間隔(次回施術日)を調整してくれているのでかなり参考になるかと思います。
2回目 4週間後
3回目 4週間後(8週間)
4回目 6週間後(14週間)
5回目 6週間後(20週間)
6回目 8週間後(28週間)
7回目 8週間後(36週間)
8回目 10週間後(46週間)
2年目
9回目 10週間後(56週間)
1年間で効果を適切に感じる脱毛が可能な回数は8回
年間で最大12回通えると宣伝しているクリニックで効果を出せる脱毛は8回しか出来ない可能性が高いのです。
勿論、ヒゲの生え変わり方は人それぞれだからこの限りではないし、ちゃんと効果のある施術を受けられる人もいると思います。
しかし「施術を繰り返すと毛の生え変わりが遅くなる」という脱毛の原則を無視し、多くの回数施術が出来ると患者を錯覚させているのが年間パスポートなのです。
年間パスポートで無毛にするのにかかる値段
年間パスポートプランで可能な「効果のある脱毛回数」は8回、毛の生え変わりが早い人であっても10回が限界である可能性が高いでしょう。
さらにここで問題となるのが、ヒゲ脱毛完了に必要な回数は15回~20回程度であると言う事です。
1年で8~10回か。てことは2回分購入が必要なのか
と思いましたか?実はヒゲの生え変わり施術を重ねる毎にさらに遅くなるので、2回で終わらない可能性が高いのです。
2年目の年間パスポートで効果のある脱毛が出来る回数を僕の通うクリニックの照射間隔を参考にして試算してみましょう。
8回目 10週間後(46週間)
2年目
9回目 10週間後(56週間)
10回目 12週間後(68週間)
11回目 12週間後(70週間)
12回目 14週間後(84週間)
13回目 14週間後(96週間)
3年目
14回目 16週間後(112週間)
15回目 16週間後(128週間)
16回目 18週間後(144週間)
4年目
17回目 18週間後(162週間)
一般的に、ヒゲ脱毛が完了するのに必要な時間は3~4年はかかると言われています。
年間パスポートが一見安く見えたとしても、完了させるのは最低でも3年分買い足さないといけなくなるので逆に割高になってしまうのです。
年間パスポートを選ぶ理由はない
以上、年間パスポートの実情に関して説明しました。
「脱毛機械が良くない」
「出力対応に後ろ向き」
と言った問題に比べれば、そこまでは悪質なものではないですが、
「最大で〇〇回!」と患者を期待させておいて、思うような効果が出しにくい、(効果を出す脱毛をする為には最大数通えない)という点では効果を詐称しているとも言えるのが年間パスポートと僕は考えております。
「年間パスポートがある=悪徳で絶対に通ってはない」とまでは言いません。
しかし「年間パスポートだから絶対お得!」と早合点せずに、年間パスポートの実力を見極めて下さい。
「1年間8回施術出来て〇万円なら安いじゃん、減毛で十分だし」と判断して選ぶんだったら問題ない。
今回の記事を参考にして正しく他クリニックと比較検討しましょう。